8,<対談>健康と栄養を考える

水澤聖子先生と神田麻帆が「健康と栄養」に関して語り合う

神田:聖子先生、毎回、難しい内容をわかりやすく、丁寧に執筆して頂き有難うございます!
早いもので「健康と栄養を考える」シリーズも7回を数えました。
今回は今までの内容を踏まえ、対談形式でお話を伺いたい思います。宜しくお願いします!

聖子先生:はい!こちらこそよろしくお願いします!
「栄養に関する正しい知識を皆さんに知って欲しいんです!」と私の熱い思いを神田先生にお伝えして(笑)このようにシリーズ化していただき、本当に嬉しいです。

健康とは何か?栄養とは何か?

神田:「健康と栄養を考える」第1回目は、
飽食の日本において、健康とは何か?栄養とは何か?
WHOの定義やホリスティック健康学・栄養学の観点から記事を書いて頂きました。
健康・栄養を考える(2)
栄養状態を良くするため」4つの要素がありましたが、
➀バランスの整った食事→こちらは2回目以降の記事で詳しく書いて頂いていますので、

②~④について、聖子先生はどのようなことをされているのか、具体的に教えて頂けますか?
②十分な休養
③適度な運動
④心の健康

プライベートな事をお聞きしてすみません(笑)。
栄養の専門家は実際にどのような生活をしているのか?きっと多くの方が興味を持つところだと思いまして。

因みに私は・・・
② 10時半までには布団に入る。質の良い睡眠をとるために、悪い要素を排除する。疲れた時は昼間でも寝る。
③ 忙しくても、汗をかいて運動するための時間を作る。時間がないを言い訳にしない。
④ ストレスの感じ方は人それぞれ。『幸せは自分の心が決める』を念頭に置き、ポジティブシンキング。公私共に『楽しさ』を追求して生きています。
という感じで至ってシンプルです(笑)

聖子先生:私は本業が料理教室講師、シフト制のお仕事なのでどうしても生活リズムが乱れてしまうのですが、できる限りで気をつけています。
私が気をつけていることは・・・
② 十分な休養 6時間以上は睡眠を取ること、できれば8時間。遅い日は23時ごろの帰宅もあるのですが、夜更かしはしないようにしています。
できるだけ生活リズムを崩さないように、お昼からの出勤日・休日でも8時までには起床することを心がけています。
あと神田先生と同じで、疲れていれば休日はお昼寝OK!です!笑
③ 適度な運動 これに関しては、毎日のお仕事が運動そのもの。ある時歩数計を確認したら、お仕事の日は平均1万2千歩ほど歩いていました。
④ 心の健康 これも神田先生と同じです!なんでもポジティブに考えることを大切にしているのですが、『ポジティブ思考』って実践が難しいんですよね。心が疲れたな〜と感じる時は、楽しかった写真を見返したり、休日の予定について考えてみたり。寝て忘れるというのも得意です(笑)

神田:
② そうですよね。お仕事で帰宅が夜遅い。シフト制の方も少なくはないと思います。「できるだけ生活リズムを崩さないように」という努力がすごく大事ですね!
③ まさに、毎日のお仕事が運動そのもの!今度機会があれば『脚が疲れない。安全で動きやすい』なんて靴があれば紹介して下さいませ。
④ いいですね!私も今度その3つ。やってみます!!

神田:2回目~4回目は自分の適正体重(BMI)と必要なエネルギー、「自分の体に対する適正量や食事バランス」を知り、健康状態を考慮して食事を調整していく。これこそ健康への第一歩というお話でしたね。
私は何事も基本が大事だと考えています。聖子先生の記事は基本の考えを改めて認識させてくれる。段階を踏んで、わかりやすく、本当の健康とは何か?一部の情報だけをとりあげず、全体を理解した上で柔軟に取り入れていく。まさにホリスティックです。
第3回目の記事「食事のバランスと消化時間」
表にまとめられた炭水化物、たんぱく質、脂質、野菜・果物の消化時間の違いは、特にわかりやすかったです!こんなにも違うということが一目瞭然。おそらく知らないという方も少なくはないのではと思います。基本を知ると自分の生活に合った食生活に応用することができますね。

聖子先生:そうですね。消化時間=実感しやすい言葉にすると『腹持ち』となります。そう考えると少しイメージしやすいのではないでしょうか?
私も基本はとても大切だと思っていて。
ちょうどオリンピックが始まったのでスポーツに置き換えて考えてみると、基本の型が曖昧なまま強くなろうとしても、うまくいかない。試合に出ても勝てないと思うんです。プロ野球選手でも素振りをしますよね?
お料理・栄養の知識もそれと同じで、『情報が溢れていて何が正しいかわからない!』という場合は、基本を見直してみると良いかもしれません。そうすると応用もしやすくなりますね。

神田:『基本を見直してみる』基本を知らなければできないことですから、基本というのは本当に大事ですね。

神田:最近は糖質制限などで、たんぱく質を意識して多く摂る方もいらっしゃると思います。「油や塩分を多くとってしまう可能性」は気を付けなければいけないところですね。
たんぱく質を夕食に過剰に摂取すると消化時間の観点からも『睡眠の質』に影響を与えそう!
これは今後執筆して頂く『時間栄養学』に関係してくると思うのですが、

たんぱく質の摂取の仕方を『時間栄養学』の観点から教えて頂けますでしょうか?

聖子先生:3年ほど前の研究ですが、たんぱく質は肝臓に作用し、体内時計を調整する働きがあることが発見されました。これを考慮して考えると、
朝食にたんぱく質をきちんと摂取することは、その日1日の体内時計を正常に働かせることに繋がると言えます。
忙しくてパンだけ!という食事になりがちな方が多い朝食ですが、ゆで卵1つでもいいので付けたいところですね。

神田:『朝食にたんぱく質』!良かった。身体が欲するのかきちんと摂取していました。ちょっと食べ過ぎな気もするので、今後は気を付けようと思います(笑)。

聖子先生:私も社会人になりたての頃は、時間がなくてパンだけ!朝食を摂っていました。今考えると栄養士なのにお恥ずかしい…(笑)
でもやっぱり、お腹が空いてしまって、昼食まで待てないんですよね。
朝きちんと起きる、『糖質+たんぱく質+野菜や果物』とバランスの整った朝食をきちんと摂るようになってから、昼食時間までちゃんともつようになりました。

「油や塩を多くとる可能性」は意識しないとなかなか難しいですね。
例えば先ほどのゆで卵。塩分を控えたほうが良い方は、塩よりマヨネーズやケチャップを使ってみる、逆に脂質を抑えたい方はマヨネーズより塩。調味料の塩分量については、知っておくと便利ですね!

神田:第4回目の記事「食品のグループとは?」で実際に何をどのくらい食べたら良いかということを詳しく教えて頂きました。この考え方は栄養大学や調理師専門学校でも学ぶ、管理栄養士さんの職場でも基本となる考え方ですね。お料理系の仕事についていない方も前に義務教育課程で習ったことがあるなんて思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか?
『食事の内容が偏っていると、すぐに空腹感を感じ間食をしてしまったり、反対にお腹がすかず食事時間が乱れる原因となります。』
と聖子先生が記事に書かれていましたね。改めてこちらの記事で『食事を整える』方法を確認して頂けると嬉しいです。

神田:第5回目記事「太る仕組み」!!多くの方が興味ある内容(笑)また可愛いイラストがわかりやすい!
聖子先生が学生時代に勉強していたノートもこんな感じの絵が描いてあるのですか?
5 “太る”の仕組み
聖子先生:実は絵は苦手な方で、自分のノートはこんなに可愛くないんです(笑)ただ、文字よりも図
の方が記憶にも残りやすくて理解しやすいので、図式はたくさん書いていました!

神田:そうだったのですね。とても絵が苦手とは思えないイラストです!文章だけでなく手書きのイラストや図式も入れて執筆して頂きとても有難いです。先日は私がFBでシェアした聖子先生の記事を「すごくわかりやすいので、シェアさせてもらっても良いですか?」なんてコメントが入っていました。勿論、即・快諾!喜んでお願いしました。
話はガラリと変わりますが、今年の夏も暑かったですね。急に秋らしくなりホッとしています。
『夏になると代謝が落ちる。歳と共に代謝が落ちて太る。なかなか痩せない。』なんてよく聞きます。これはどういうことなのでしょうか?

聖子先生:代謝とはそもそも、体の中を燃やしてエネルギーを作り出す仕組みのこと。
夏は外気温が高いので、わざわざ体内を燃やす必要がないんですね。そのため、夏は代謝が落ちるとされます。
また、代謝(基礎代謝)は筋肉量と比例するので、年齢とともに筋力が落ちてくると、代謝も徐々に落ちてくるというわけです。

ちなみに、体の中で大きい筋肉といえば、大腿四頭筋と言われる太もも前の筋肉。お料理やドライヤー中などに軽いスクワットをするだけでも、毎日続ければ全然違ってきますよ!

神田:なるほど!とってもわかりやすい!!
色々とお聞きしていたらすっかり記事が長くなってしまいました(笑)。今回はこのあたりで終了したいと思います!また、是非、対談をお願い致します。

聖子先生:とても楽しかったです!対談を通して、今後記事に書きたいことも増えました。またぜひ、よろしくお願い致します!

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