☆彡監修:神田麻帆☆彡
☆彡執筆・イラスト・コメント返信:水澤聖子☆彡
突然ですが、みなさんは普段からお酒を飲みますか?コロナ禍になってから外で飲む機会が減り、自宅で飲むことが増えたという方も多いことでしょう。仕事で疲れたな~と思ったとき、気の置けない友達と楽しむ会、会社関係の方との接待、等お酒を飲む機会は様々あると思います。また場面によって、飲む物・量も変わってきますよね。
たくさん飲みすぎると体によくなさそうという漠然としたイメージがある方は多いと思いますが、お酒は具体的にどんな影響を体に与えるのでしょうか?
今日はその影響と、血圧や疾患などとの関係性について書いてみたいと思います。
1、お酒が体に及ぼす影響
あなたはお酒を飲むとどうなりますか?テンションが上がる、眠くなる、気持ち悪くなってしまう、人によって様々だと思いますが、このような状態になるとき体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか?
アルコールが体に入ると、以下のような影響を及ぼします。
①血圧が上昇する
②神経が麻痺する
③肝臓への負担
④脱水
アルコールは体に様々な影響を及ぼしますが、ピックアップするとこのような感じです。
では1つずつみていきましょう。
①血圧が上昇する
まずそもそも「血圧」とは?心臓がポンプの役割をして血液を全身に送るとき、その血液が血管にかける圧力のことを指します。心臓の血液を送り出す力や、血管の硬さによって血圧は左右されます。
少し考えてみてください。
同じ量の水を勢いよく2本のホースに流すとします。1本目は硬くて細いホース、2本目は柔らかく伸展性があり1本目よりも太いホース。張り裂けそうになるのはどちらでしょう?
答えは1本目のホースですね。
これを血管に置き換えると、1本目のホースは動脈硬化などが進んだ血管、2本目は健康な状態の血管です。
コレステロールなどが血管の内側の壁に溜まることで血管は細くなり、これが積み重なると柔軟性がなくなり、血管は硬くなります。
では、アルコールはどう関わるのか?
アルコールは、血管を広げる効果があります。血管を広げるということは血液は流れやすくなる。
え?じゃあお酒を飲むと血圧は下がるんじゃ…?と思いますよね。
人間には恒常性という機能が備わっています。体温が上がると汗をかいて下げることによってほぼ一定の体温をずっと保てています。これと同じように、血管が広がると収縮させようという力が働くのです。
つまり一時的には血圧は下がるのですが、アルコールの作用で通常より広がった血管を収縮させるために普段よりも強い力が働くので、結果的に血圧は上がってしまいます。
ちなみにお酒を飲んだ後にコーヒーを飲みたくなりませんか?(私は必ずといっていいほどなります)これはコーヒーの血管収縮作用を体が本能的に欲してのもの。とてもよくできていますよね。
②神経が麻痺する
アルコールが体に入ると、神経は鈍感になります。
ニュースなどで、酒に酔っぱらった人が通りがかりの人を殴り…などといった、傷ましい事件を耳にすることもありますよね。あの時殴った側の人は痛みを感じていないことも多く(アドレナリンが出ているというのもありますが)、翌日になってアルコールが抜けた頃に痛いと気づくのです。
また、交感神経や副交感神経といった自律神経系にも影響を与えます。
交感神経→アクセル、活発なイメージ
副交感神経→ブレーキ、リラックスのイメージ
を持ちながら考えていただくとわかりやすいです。
お酒を飲むと副交感神経が優位になります。血管が広がる(緩む)のも、眠くなるのも、この副交感神経の影響です。
副交感神経が優位になった後は必ず交感神経が優位になります(先ほど出てきた「恒常性」ですね)。
睡眠に関していうと、お酒を飲んだ後一気に眠くなって寝付きは良かったとしても、寝ている最中に交感神経が優位になるため、浅い睡眠となりやすく疲れが取れにくいのです。
③肝臓への負担
アルコールの代謝は肝臓で行われます。次の項目で詳しく書きたいと思いますが、お酒を飲みすぎると肝臓に負担がかかるのは想像がつきますね。
④脱水
「お酒を飲むと脱水になる」と聞いたことはありませんか?なんで水分をとっているのに脱水になるの?と思われるでしょうが、これはアルコールの作用によります。
アルコールには尿を作るのを抑えるホルモンを邪魔する働きがあります。この利尿作用によって、たとえばビールを1L飲むと1.1Lの尿が出ると言われています。そのため飲んだ量以上に体から水分が失われ、脱水になります。
2、アルコールの代謝
アルコールの代謝は肝臓されると先に書きましたが、その仕組みはどのようになっているのでしょうか。少し難しくなるので、図にしてご説明したいと思います。
このアセトアルデヒドが有害であり、気分の悪さや頭痛、脱力感の原因となります。アセトアルデヒドが翌朝まで分解し切れないほどの量のお酒を飲むと二日酔いになるのです。
ちなみにお酒に強い・弱いとはこのアセトアルデヒドの分解能力によります。アルコールの分解能力には個人差があり、親から子へ遺伝するといわれています。
今回のテーマは書きたいことがたくさんあり笑、また複雑でもあるので、
次回の更新で
3、アルコールが原因となる疾患
4、飲酒の適正量とは
について書いていきたいと思います。
では、ここまで読んでいただきありがとうございます!