2、自分の適正体重(BMI)と必要なエネルギー

健康・栄養を考える(2)

☆彡監修:神田麻帆☆彡
☆彡執筆者・コメント返信:水澤聖子☆彡

みなさまこんにちは。

少しずつ暖かくなり、春の食材が美味しい季節になってきました。新玉ねぎに春キャベツ、芽キャベツ、菜の花、山菜、しらすなどなど…好きなものばかりで、ついつい食材を買いすぎてしまいます(笑)

最近は、今春初の新玉ねぎとしらすを購入しサラダにしました。さっと水さらしした新玉ねぎと、釜揚げしらす・鰹節を和え、出汁醤油を少し。生の玉ねぎをたっぷりいただけるのはこの時期ならではで、とても美味しくいただきました。

さて、前回の記事では、健康の全体像について書かせていただきました。健康とは単に元気なだけではダメで、心や社会とも繋がっているんだということ。

その中でも「3、栄養状態を良くするために」という項目の中でお話しした「バランスの整った食事」について、これから少しずつ深掘りしていきたいと思います。

いわゆるバランスの整った食事とは、どのようなものだろう?

【前回の記事より】

①バランスの整った食事
食事はとても大切な行動であり、極端に偏った食事を続けていると、もちろん体に影響が出てきます。それは体の病気という形であったり、うつなどの精神疾患だったり、人それぞれです。(偏食の例:同じものを毎日多量に食べ続ける、適正以上のカロリー摂取、反対に極端なダイエット・拒食など)
極端な偏食ではないとしても毎日の少しずつの積み重ねは怖いもので、例えば甘いものが好きな人が糖尿病になりやすかったり、味の濃いものを好む傾向にある人の血圧が高めだったり、ということが挙げられます。これらを避けるには、自分の体に対する適正量や食事バランスを知り、食事を調整していく必要があります。
また、バランスの取れた食事をすることは、免疫力UPにも繋がります。

ここで書いた、「自分の体に対する適正量や食事バランスを知り、食事を調整していく必要がある」という部分。これこそ、健康への第一歩だと考えています。

神田先生も「ホリスティック栄養学の精神とは?」の記事で書かれていますが、年齢と共に体に必要なものは変化します。そして健康状態によっても。

 

神田先生の記事はこちらから↓↓

 

「自分の適正量」は次のような順で知ることができます。

  1. 適正体重を知る
  2. 必要エネルギー量を知る
  3. 適正なバランスを知る
  4. 健康状態を考慮して調整する
  5. 食事内容に落とし込む

この記事では、1.2.の部分をご説明しますね。

では、1つずつ見ていきましょう。

 

1.適正体重を知る

突然ですが、あなたの今の体格は、標準と比較してどうでしょうか。

標準ぴったり?それとも痩せている?肥満傾向?

現代医学では、身長に見合った標準体重(BMI=22)という考え方があり、医師や管理栄養士はこれを基準に「痩せ気味ですね」「体重を減らしましょうか」などとお話します。

(※BMI:Body Mass Index 肥満度を表す体格指数)

 

誰がそんなこと決めたの?と思うかもしれません。

標準体重とは、長い期間をかけて死亡率の研究が行われた結果、「この身長の人は、この体重の時に死亡率が低かった」と導き出されたもの。

つまり痩せでも肥満でもない、健康で長生きできるちょうど良い体重を示しています。

 

しかし全員が全員、BMI22になる体重をずっと維持できるかと言われれば、無理がありますよね。

そこで「これくらいの幅に収まっていればOK(病気になるリスクは低いと言える)」という猶予範囲が設定されています。BMI=18.5~25

18.5を下回るなら痩せすぎ、25を超えるなら肥満と評価され、それぞれ病気になるリスクも上がります。

健康・栄養を考える(2)

【BMIの評価】

  • ~18.5:痩せ型
  • 18.5~25:標準 →真ん中が22
  • 25~30:肥満
  • 30~:高度肥満
BMIを算出してみましょう

では早速、ご自身のBMIを計算し体格を確認してみましょう。身長はメートルに換算します。160cm→1.6m

◎BMIの計算式

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

例えば体重55kg、身長160cmの人なら

計算式 55 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 21.4

で、BMIは21.4となります。

 

BMI22になる標準体重を求めたいときには、この式を反対に利用します。

◎標準体重の求め方

標準体重kg = 身長(m) × 身長(m) × 22

身長160cmの人なら、

計算式 1.6 × 1.6 × 22 = 56.3

標準体重は56.3kgとなります。

 

痩せ型・肥満と出た方は特に、将来の病気になるリスクを少しでも減らすために、体重コントロールに取り組みましょう。

体重コントロールの一つの目安として、BMI22を目指してみてください。

 

しかし、意図的に体重を減らしたり増やしたりするというのは、とても大変ですよね。最初はゆっくりのペースで取り組むことをお勧めします。

なぜなら、BMIが18.5~25に収まっていない方が一気に22を目指そうとすると、かなりハードなダイエットもしくは過食となりがち。

リバウンドしてしまったり、内臓など体の他の部分に異常が出るかもしれないからです。

 

BMI18.5を切っている方はまず18.5を目指して増量、BMI25を超えているかたはまず25を目指して減量をするなど、

目標を細かく設定をしてあげると、無理なく調整ができますよ。

2.必要エネルギー量を知る

適正体重が分かったら、次は「その体重に持っていくためには、どのくらいのエネルギー量(カロリー)を取ればいいか」を考える必要がありますね。

必要エネルギー量は、実はさまざまな方法で知ることができます。現在の体重を用いる方法や基礎代謝量から求める方法など…

 

計算結果に多少の差はあるかもしれませんが、どれをとっても間違いではありません。

ここでは、そのうちの簡単な方法を2つご紹介します。

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1つ目:目標とする体重から計算する方法

極端な差がある場合以外は、目標は標準体重(BMI22となる体重)にしましょう!

必要エネルギー量kcal = 目標体重( )kg × 25~30kcal

この25~30kcalというのは「日常でどのくらい活動するのか」を数字で表した、身体活動係数と呼ばれるものです。25~30kcalが一般的ですが、人によって変わります。

 

【身体活動量の目安】

  • 25~30kcal:デスクワークの方、専業主婦など
  • 30~35kcal:立ち仕事が主な方
  • 35kcal~:建設業など力仕事の方

 

例えば仕事はデスクワークであっても、日常的に汗をかく運動を取り入れているなど運動習慣のある方は、30~35kcalをかけた方が妥当です。

個人に合わせた調整が必要ですね。

 

2つ目:推定エネルギー必要量を使う

計算が面倒!という方は、こちらの早見表を。

厚生労働省が出している「食事摂取基準2020」のなかに、推定エネルギー必要量というものがあります。

健康・栄養を考える(2)

【出典】食事摂取基準2020   P.84

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

 

見方はとっても簡単。

表の上の方にある、I・II・Ⅲは身体活動レベル(身体活動量)ですので、<1つ目:目標体重から計算する方法>でお話しした、【身体活動量の目安】を参考にしてくださいね。

 

性別と身体活動レベルを選び、自分の年齢の段とぶつかるところの数字を確認するだけ。

例えば、50代男性・営業職(→身体活動レベルII)の方なら、2,600kcalが必要エネルギー量の目安となります。

 

これで、1日のうちにどのくらいカロリーを取ればいいか、分かってきましたね。

例えばスーパーやコンビニでスイーツを買う際、カロリー表示を見る方も多いでしょう。

ご自身の1日必要カロリーに対して、今買おうとしているスイーツがどの程度占めるのか… 1/3ほども占めるようなエネルギー量だと約1食分!

その分運動が必要になるというわけです。

 

 適正体重(目標体重)、必要カロリーが分かったら、次はいよいよその内容を考えていきましょう。

次からの記事では、

  1. 適正体重を知る
  2. 必要エネルギー量を知る
  3. 適正なバランスを知る
  4. 健康状態を考慮して調整する
  5. 食事内容に落とし込む

の、3.以降についてご説明していきますね。

 

まとめ

・自分の体に対する適正量や食事バランスを知り、食事を調整していく必要がある。

・自分の適正量を知るには順序があり、①適正体重を知る ②必要エネルギー量を知る ③適正なバランスを知る ④健康状態を考慮して調整 ⑤食事内容に落とし込む、という順で考えていく。

・自分の今の体重は、痩せ・標準・肥満のどれに当たるのかを知る(BMI)

BMI = 体重kg ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

①標準体重(目標とする体重)を求める

・BMIが18.5~25の標準範囲内の方:身長(m)×身長(m)×22

・BMI18.5以下の痩せの方:身長(m)×身長(m)×18.5

・BMI25以上の肥満の方:身長(m)×身長(m)×25

②必要エネルギー量を求める

・目標とする体重から求める:目標体重(kg)×25~30kcal

・厚生労働省の推定エネルギー必要量を参考にする

 

次回は、タンパク質・脂質・炭水化物それぞれの体の中での働きと、具体的な食
べる目安量(ご飯〇〇g)などをご紹介していきます。
ゆっくりなペースでの更新になりますが、ぜひ楽しみになさってください。

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