☆彡監修:神田麻帆☆彡
☆彡執筆・イラスト・コメント返信:水澤聖子☆彡
こんにちは。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
そろそろ暦の上では立冬、冬がやってくる気配を感じられる季節となりました。今年の立冬は11/7。「そんな時期に冬の始まりと言われても、あまりピンと来ないんだよな~」なんて思っていましたが、秋分、立冬などの二十四節気はもともとは中国で作られたんですよね。
そのため日本の気候とはややズレがあるようです。夏至、秋分、冬至、春分を季節のど真ん中に持ってきているとのことなので、そう考えると「じゃあ11月初旬は冬の始まりなのか」と妙に納得してしまいます。
話が逸れましたが、そろそろ寒くなってくる=お鍋料理が増える頃ですよね。鍋料理は、野菜・たんぱく質・〆に糖質と、バランスよく栄養素を摂れるお料理で、しかもクタクタになるまで煮たお野菜なのでたくさん食べられる!ときては、わたしもオススメしたくなります。
ただ、塩分量はどうしても高め。毎年この時期になると、(気温のせいも手伝って)、高血圧で悩まされる方が増えるのもまた事実です。
健康に留意した食生活を送る上で避けては通れないと思うのが塩分。今日は調味料や食材の塩分量について少しお話していきたいと思います。
塩分をとりすぎてはいけない訳
そもそも、なぜ塩分量を控えましょうと言われるのでしょうか?
イメージでは塩分を取りすぎると浮腫むとか、血圧が上がるなどがあると思いますが、塩分の取りすぎによる影響は様々あります。
①浮腫み:ナトリウムは水を吸着する性質があるため、尿や汗として排出されずに体の中に水分が溜まり、浮腫みなどに繋がります。
②血圧の上昇(心臓への影響):塩分をたくさん取った後は喉が渇き、水を飲むことで体内の塩分濃度を薄めようとします。これによって循環血液量が増え、血圧が上がります。
③血圧の上昇(腎臓への影響):腎臓を巡る血管はとても細い毛細血管です。高血圧により腎臓への負荷がかかり続けると、腎臓からのナトリウム排出量が減り、体内バランスが乱れます。
このように、塩分取りすぎの食事が続くことによる体への影響は計り知れません。「痛い」「熱い」といったように実感できるものではないからこそ、口に美味しいもの優先でついつい味の濃いものを求めてしまいますよね。
しかし実際には高塩分食を食べた後の体はとてもとても頑張っています。そんな食事が続くとそのうち疲弊してしまうことも簡単に予想していただけるのではないでしょうか。
塩分の多い調味料は?
では実際にどのような調味料に塩分が多いのでしょうか。同じ小さじ1杯で比較し、表にまとめてみました。
発酵食品として注目され、体に良いイメージの強い味噌や塩麹、醤油。日本で昔から使われている調味料は、実は塩分が多い部類なんです。
そのためこういった調味料で組み立てる和食は、作り方次第では塩分を取りすぎてしまうことに。出汁をしっかり効かせるなど、工夫した調理が必要です。
また、意外と落とし穴なのがポン酢。
栄養指導をしていた時代に「醤油に塩分が多いのはわかってるから、ポン酢に変更してたくさんかけてました」なんて声をよく聞きました。
ポン酢はどうやって作るかご存知でしょうか?料理人さんそれぞれのレシピがあるとは思いますが、調べてみると「醤油 5:柑橘果汁 5:みりん 1」などの配合が多いように思います。
つまり、塩分量は醤油の約半分で出汁割醤油などと同等。マヨネーズなどの塩分量と比べると、とても多いのがお分かりいただけます。確かに「醤油をドバドバ!」よりは良いですが、、ポン酢もたくさんかけてしまうとあまり減塩にはなりませんね。
塩分の多い食材
では、塩分の多い食材にはどのようなものがあるでしょうか?
こちらは挙げだすとキリがないですが、基本的な考え方として「日持ちのするものは塩分量が多い」と思っておくと良いかと。
塩蔵という言葉がありますが、その昔、冷凍・冷蔵保存の技術がなかった時代は、塩に漬け込むことでその賞味期限を伸ばしていました。これと同じように、酢漬け・砂糖漬け・乾物なども賞味期限を伸ばす方法としてあげられます。
漬物、食肉加工品(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)、魚肉加工品(かまぼこ・ちくわ・はんぺんなど)は塩分が多い食材。
料理に使う際は旨味とともに塩分も染み出すので、さらに調味料で味を濃くしすぎないように気をつけたいところです。
塩分を体から出すには?
そうはいってもやはり、塩分が多いものは口に美味しいもの。たくさん塩分をとってしまった時、水分を取る以外に塩分を体から出す方法はないのでしょうか?
実は、カリウムという成分が、ナトリウムを体から排出する働きをしてくれます。注目している方も多いのでは?
カリウムは主に、生野菜・果物・芋類に多く含まれます。
水に流れやすい性質を持つので、野菜では茹でたり水さらしをしていない状態が理想。芋類は粘質なので、調理をしてもカリウムが減りにくいことが特徴。効率的にカリウムを摂取することができます。
野菜を食べるためにドレッシングなどをたくさん使っては意味がないので、その点は注意してくださいね!笑
腎臓病を患っている方はカリウムの取りすぎは禁忌なので、この点は主治医の先生とよくご相談ください。
しかし1番はやはり、塩分の摂取量自体を減らすこと。ちょっとした手助けとして、カリウムを摂取すると相対効果が得られることを覚えておいていただけたらと思います。
いかがでしたでしょうか。
私も、普段食事準備をしていて1番難しいなと感じるのが、塩分量を減らすこと。調味料の重なりや加工品の使用、また食べる量によっても、簡単に塩分は過剰摂取となってしまいます。
だからこそ普段からのちょっとずつの意識の積み重ねがとても大切だと思っています。「調味料かけすぎないようにしよう」「気持ち薄味だけど、これで完成にしよう」「つゆを飲みたいけど一口で我慢しよう」… こういった積み重ねで、体への負担は減らせると考えています。
体の仕組みと、塩分の多い調味料や食材は知っていただけたと思います。皆さんも少しずつの意識で良いので、毎日継続して減塩に取り組んでみてください。