☆彡監修:神田麻帆☆彡
☆彡執筆・イラスト・コメント返信:水澤聖子☆彡
みなさまこんにちは。
梅雨時期が過ぎ、暑い季節となりました。
夏バテで食欲が落ちている方も多いのでは?
こんな暑い時期はさっぱりと冷たいものが食べたくなりますが、同時に辛いものが食べたくなったりもしませんか?
暑くなってくると辛いものが食べたくなったり、反対に冬になるとミルク系の(シチューなど!)まったりしたものが食べたくなったり。夏は夏野菜が美味しかったり、冬は根菜類が美味しかったり。
実はこれらにはちゃんと、食材に含まれる成分とその時期の体に必要なものがマッチしているからだということを、ご存知でしたか?
人間の体とは不思議なもので、本能的にその時必要なものを求めるようにできているんですね〜。本当に不思議です。
そこで今回は少し今までと趣向を変え、季節の料理や食材を食べたくなる理由(暑い季節ですので、夏の旬に焦点を当てて!)、美味しい理由を解明してみようと思います。
夏になると食べたくなる!酸っぱいものを体が求める2つの理由
酸っぱいものを食べた時の体への影響を見ていきましょう。
1、食欲増進
酸っぱいものを食べたり、もはや酸っぱそうな食べ物を見るだけで、唾液が分泌される現象を皆さん一度は経験したことがあるでしょう。
酸味は味覚を刺激し、唾液を分泌させたり、胃の動きを促進するといった働きをします。
また、酸味は他の基本五味(=甘味、塩味、うま味、苦味、酸味)に比べて、少量で味を感じやすいという研究結果も出ており、食欲の低下する暑い時期に酸っぱいものを少量食べることで、食欲を増進させる効果があります。
2、クエン酸→乳酸への代謝
夏バテの原因は、自律神経の乱れが原因だとわかってきました。
気温の高い時に外にいると汗が自然と出てくるのは、上がり過ぎた体温を下げるための体の自衛反応。これが長く続くとストレスとなり、自律神経が乱れ、疲れとなって溜まります。熱射病や熱中症は、この自衛反応が十分に機能しなくなった時・または機能が追いつかないほどの環境になった時(あまりにも気温が高いなど)に起こります。気温だけでなく湿度も関係するので、注意が必要です。
糖分をエネルギーに変えるときの代謝で、ピルビン酸というものが作られます。これはさらに分解されてエネルギーになるのですが、このピルビン酸の処理能力には限界があり、これが追いつかないと処理しきれなかったものが乳酸となります。
乳酸が溜まると、体は「疲労」と感じます。
このピルビン酸を処理するのに必要なのがクエン酸なのです。
夏以外でも、スポーツをするときなどに飲むドリンクにはクエン酸が強化されていたりするのはこのため。クエン酸を摂取し、ピルビン酸の処理能力をUPさせれば、乳酸は溜まりにくく疲れにくくなるという仕組みです。
自律神経の乱れ=自律神経を司る脳疲労へと繋がる。脳疲労は自覚しにくいですが筋肉痛のようなものなので、クエン酸の疲労回復効果が役に立つというわけです。
夏ありがちな「そうめんだけ」の食事はキケン!?
夏バテで食欲が出ない…何かさっぱりしたものを少し食べればいいや…とありがちなのが「そうめんだけ2−3把」などといった食事。
この食事の問題点は2つ。
1、栄養バランスの偏り
そうめんは炭水化物を多く含む食品で、脂質やビタミン・ミネラルは含まれていますが少なめです。炭水化物(糖質)は確かにエネルギーとして使われやすいですが、糖質がメインということは血糖値が上がりやすく、その分下がるのも早いということ。タンパク質・脂質の少ないそうめんだけでは腹持ちはしません。
また、代謝に必要なビタミン・ミネラルが不足しやすくなります。
栄養成分(乾麺2把=100gあたり) | |
カロリー | 343kcal |
炭水化物 | 69.7g |
たんぱく質 | 9.5g |
脂質 | 1.0g |
2、そうめんは意外とカロリーが高い!
さっぱりしているからか、なんとなく「そうめんは低カロリー」だと思い込んでいませんか?
そうめん1把のカロリーは約180kalで、これはご飯に置き換えると110g(茶碗に軽く1杯、コンビニおにぎり一個分)となります。するする食べられてあまり噛まないからこそ、満腹感が得られず、食べ過ぎてしまう傾向にあります。
白飯だと茶碗に軽く1杯ほどしか食べないのに、そうめんだと2−3把は食べてしまう…という方は要注意!
夏になると食べたくなる!辛いものを体が求める理由
夏になると、ただでさえ暑いのに、「辛いものが食べたい!」という衝動に駆られることはありませんか?
坦々麺など、お店のメニューにも辛いものが並びますよね。
酸っぱいものと同様、夏に辛いものが食べたくなるのにもちゃんと理由があるのです。
発汗の手助け
人間の体には恒常性(ホメオスタシス)といって、体温をはじめ、カリウム・ナトリウムなどの血中濃度、血糖値・血圧などを正常に保とうとする機能が備わっています。
この機能によって、外気温が高くなることによって体温が上がった際は、発汗を促し体温を下げようとします。
「発汗すれば体温が下がる」とインプットされているものですから、発汗の手助けとなる辛いものを自然と摂取したくなるのです。
長時間外で過ごしてからクーラーの効いた部屋に入ると、体表面の温度は一気に下がりますが、体の芯は熱を持ったまま。こういう温度差の積み重ねで、段々と体がだるくなっていきます。
室外⇆室内の行き来が多い方は、辛いものを食べるように意識すると、夏バテも少し解消されるのではと思います!
辛いものは苦手な方もいらっしゃるでしょうが、ぜひチャレンジしてみてくださいね^^
夏が旬のお野菜
きゅうり、トマト、なす、枝豆…など夏が旬の野菜は、どれも土の上にできるものばかりです。これらの野菜は火照った体を内側から冷やす効果があります。
さらにこれらの野菜は比較的柔らかく、加熱をせずサラダなどの冷菜として食べることができるもの特徴です。
反対に冬が旬となる芋類やにんじん、かぶなど根菜類は体を内側から温める効果があります。これらの野菜は比較的かたくて生で食べることが難しいため、加熱をして温かい状態で食べることが多いというのも特徴ですね。
いかがでしたでしょうか。
なんとなく夏には酸っぱいものが食べたくなる、辛いものが食べたくなる、といった気持ちになりますが、ちゃんとその時期に必要なものを体が求めているという結果なのですね。旬の野菜というのも、ただ美味しい・栄養価が高いだけではなく、ちゃんと体にベストな影響を与えるものになっているのです。
時には、体が求めているものを素直に取り入れてみるのもいいですね^^