☆彡監修:神田麻帆☆彡
☆彡執筆・イラスト・コメント返信:水澤聖子☆彡
みなさまこんにちは。
おそらくこの記事が、年内最後の更新となるでしょうか。私が神田先生に「書かせてください!」と頼み込み(笑)、3月から始めたこの連載も早11回。期間が開いてしまうこともしばしばでしたが、なかなか良いペースで書かせていただけたのでは?と感じています。
毎回いろんなテーマで、その時々で私が大切だ!と思うことを書いていくというなんとも自己中心的な更新でしたが(笑)、お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。
さて、今年最後の更新はアレルギーをテーマにしてみようと思います。アレルギー、アトピー、花粉症など、そういった類のものを改善できる食事はありませんか?と病院栄養士時代良く聞かれました。実際、食事とアレルギーの関係にお悩みの方は多いと思います。
ホリスティック栄養学の観点では、アレルギー体質を作り出す、または悪化させる最大の要因は食生活であると考えられています。食生活を改善すれば、症状も軽くなる…そうなれば本当に素敵なことですね。
アレルギー疾患を保有している割合
花粉症やアトピー性皮膚炎、アレルギー性疾患は、30年ほど前にはとても珍しい病気とされていましたが、近年ではかなりポピュラーな病気となっています。
私の周りでもアレルギー疾患があったり、花粉症を持っていたりする方は多いのですが(ありがたいことに私自身は全くありません!)、肌感としても罹患率はかなり高そうですよね。なんとアメリカでは10年以上も前の時点で、国民の50%がなんらかのアレルギー性疾患を持っているとされています。
実際日本においても年々その罹患率は増えており、文科省が行う学校保健調査において、喘息を患う子供は10年前に比べて約2倍という統計も出ています。
アレルギー体質の原因は食生活!?
先に書いたように、ホリスティック栄養学の観点では、近年アレルギーが急増した背景には、食生活の変化があると考えられています。
そもそもアレルギー疾患の発症には遺伝的な要因と環境的な要因があり、後者が圧倒的に大きな要因となっています。ストレスの増加や食生活の変化、化学物質の増加などがアレルギーを引き起こしています。
そもそもアレルギー体質とは、免疫機能が弱ることによってIgE抗体が多く産生されすぎることによります。正常であれば、外敵に対応できるだけのIgE抗体が産生されればキチンと働いてくれるのですが、ひょんなきっかけでIgE抗体が産生されすぎてしまうと、外敵以外の自己免疫機能に対してもIgE抗体が働いてしまいます。これがアレルギー反応が出てしまう仕組みです。アレルギーの人はそうでない人に比べ、50~100倍ものIgE抗体を持っていることもあるようです。
このIgE抗体が増える要因が食生活の乱れであったり、ストレス過多、睡眠不足、疲れなど。逆に言い換えると、風邪などで体が弱っている時ほどアレルギーやアトピーが出やすいということは、体感したことがある方も多いのではないでしょうか。
食品中のアレルゲン物質
食物アレルギーを持っている方にとって、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を含むものを食べてしまうことほど、怖いものはありません。そういったトラブルを防ぐために、消費者庁は、アレルギーを引き起こす可能性の高い物質を『特定原材料』とし、加工食品や容器包装された食品に対して表示を【義務】付けています。また、アレルギーの頻度は低いが可能性があるものをそれに準ずるものとして、表示を【推奨】もしています。一般に「アレルギー表示」と言われるものですね。
特定原材料・・・えび、かに、小麦、そば、 卵、乳、落花生(ピーナッ ツ)【表示義務】
特定原材料に準ずるもの・・・アーモンド、あわび、いか、 いくら、オレンジ、カシュー ナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、 さば、大豆、鶏肉、バナナ、 豚肉、まつたけ、もも、や まいも、りんご、ゼラチン【表示を推奨】
食物アレルギーの他にも、薬物アレルギーや化学物質によるアレルギー(粉塵やゴム手袋など)要因は様々です。
アレルゲンの除去ももちろん必要な治療ですが、根本的に症状を軽くするにはやはり体を元気で健康な状態に保つこと。その方法として栄養療法(食事のバランスを整え、継続していくこと)が効果的であると考えられます。
食事バランスの整え方・考え方に関しては、過去に書かせていただいたこちらの記事を参照くださいね。https://private-cooking.net/2021/05/28/health-nutrition-4/
便が出ない・硬い・または緩い、肌が荒れる、疲れやすい、冷え、等々。そのような様々なちょっとした時に感じる不調は、「何かしら栄養が偏っているよ」という体からのサイン。普段どういう食事内容か、野菜の量は少なくないか、タンパク質は足りているか…振り返ってみて思い当たることがあれば、少しずつ修正していけると良いですね。
まとめ
アレルギーの治療に悩む方はとても多いと聞きます。原因物質の除去、ステロイド等の使用、様々な治療がありますが、根本的に体質改善を目標とした栄養療法にも目を向けてみてくださいね。