料理研究家のラスベガス視察記:海外での食経験が商品開発に活きる理由
今年は仕事の合間をぬって、7回目となるラスベガスに1週間滞在しました。プライベート旅行ではありますが、街の変化や飲食トレンド、インバウンドの視点など、仕事につながる「視察」として多くの学びがあったため、今回のブログではその記録をまとめています。
■ ラスベガスは「変化の速度」がよく見える街
ラスベガスは、ホテルが密集しているため歩いているだけでエンターテインメントに触れられる街です。治安も比較的安定しており、夜に散歩しても安心感があります。同じ場所を定期的に訪れると、アメリカの社会情勢や世界情勢がどのように影響しているのか、変化がとてもよく分かります。
今回は、トランプ関税や政府機関の閉鎖など、アメリカ国内で話題の出来事がリアルに街の空気へ反映されているように感じました。以前よりもわずかに元気がない印象を受けたものの、それでも世界中から人が集まる圧倒的エネルギーは健在です。
■ 日本へのイメージは好意的に。大谷選手の影響も?
今回の滞在で強く感じたのは、アメリカ人の日本に対する印象が以前よりも柔らかくなっていることです。大谷翔平選手の活躍もあり、話しかけられる内容も「日本=ポジティブ」な雰囲気を帯びています。
バス停でチケットが出てこないトラブルに遭遇した際も、隣にいた男性が普通に5ドルを差し出して助けてくれるなど、温かい場面がいくつもありました。
■ 羽田空港のお寿司屋さんで見えた“外国人の価格感覚”
出発前、羽田空港のお寿司屋さんに立ち寄ったのですが、欧米系の老夫婦がメニューを見て「これは1貫の値段? 私たちには高すぎる」と言って立ち去ってしまいました。その後に来た若い女性は迷いながらもたくさん注文したりと、外国人観光客の行動も本当に多様です。
「インバウンド=一種類の価値観ではない」という気づきは、料理開発に携わる私にとってとても重要な視点です。

ラスベガス出発前に立ち寄った羽田空港の寿司店にて。日本酒とビールを合わせながら、鮮度の良い刺身盛り合わせを味わいました。外国人旅行者の価格感覚の違いを強く感じる場面がありました。
■ アメリカの外食事情:量が多い、味が単調、そして飽きる
アメリカでは外食の量が多く、味も単調になりがちで、日本人にとっては飽きやすいというのが正直なところ。だからこそ、私はラスベガスでは必ずホテルの「キッチン付きのコンドミニアム」に滞在します。
キッチンがあるだけで食生活に柔軟性が生まれ、体調管理にも役立ちます。「訪日観光客が日本でキッチン付き宿泊施設を選ぶ」理由も、こうした体験からよく理解できます。

滞在したのは、ストリップの中心に位置するホテル「エララ(Elara by Hilton)」。
部屋の大きな窓からスフィア(最新のエンターテインメント施設)と夜景が一望でき、広いシステムキッチンも映り込んでいます。
■ ホールフーズ(オーガニック系の高級スーパー)で“アメリカの食文化”を読み解く
現地のスーパーは文化や価値観が最も強く表れる場所。今回はホールフーズでステーキ用の食材を購入しましたが、物価の高さに驚かされます。
食材を観察するだけで、その国の食の傾向や消費行動がよく分かります。海外視察では必ず訪れるべき場所です。

ホールフーズで購入した4cm近い厚みの牛ステーキ肉。重さ526g。5.73ドル/100g。生の状態と、ミディアムレアに焼き上げた断面を比較したコラージュ。アメリカならではの肉の厚さと迫力を実感しました。
キッチンはIH。厚切りの肉でも焼く→寝かす(余熱で火を通す)を繰り返すことによってじっくり火入れ。
脂の少ないアメリカの牛肉。オイルでマリネしてそのまま焼くと、ジューシーさも保てます!
ステーキスパイスは日本より持参。軽くてかさ張らない。野菜と混ぜてドレッシング代わりにと重宝しました。
■ 旅先でも「食の研究」は続く:乾物 × 少量水での新調理法
今回は、部屋のキッチンで新しい試みも行いました。日本から持参した乾物や乾燥調味料を使い、水道水が飲めないアメリがで、購入した飲料水「少量の水」で戻す調理法、鍋がなくてもできる加熱を実験。
限られた水量でも味がしっかり出る戻し方、戻し汁の活用、副菜として成立する味わいなど、いくつかのレシピが誕生しました。残念ながら写真はありませんが、この試みは今後の海外向けのメニュー開発や、インバウンド対応のレシピ提案、はたまた地球の環境変化に対応と確実に役立つ感触があります。
■ 時差ボケ対策:体調を整える工夫
旅のパフォーマンスを上げるため、ジムで軽く汗を流すほか、最近導入した「活性酸素を抑える特殊な水」を飲んだところ、目覚めの良さや疲れにくさを実感しました。
時差ボケ対策は人によって最適解が異なりますが、食べる量やタイミング、睡眠と適度な運動が鍵になります。
■ 視察を通して見えたこと:日本の強みと今後の可能性
今回の視察で感じた、特に大きなポイントは次の通りです。
- インバウンドの価値観は「多様化」している
- アメリカの外食は「量・価格・味の単調さ」が課題
- 日本は「安全・コスパが良い・質が高い」と世界から評価されている
- 観光動線の中で、食はもっと強く発信できる
海外視点を取り入れながら、日本の食文化の魅力を再構築していくこと。これは、私自身がこれからさらに深めていきたいテーマでもあります。
私が提供している商品開発・レシピ開発・メニュー開発の詳細は、こちらのサービス紹介ページにまとめています。
企業様・宿泊施設様向けには、海外視点を取り入れた商品開発・メニュー開発のご提案も可能です。お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

