商品開発・レシピ開発(続編)。コロナ禍における飲食業界の進化(フードテック)

フードテック、飲食業界、食、進化

商品開発・レシピ開発は終わりなき戦い

商品開発・レシピ開発をしていて思うこと「切りがない!」です(笑)
こうしたらもっと良くなるのでは?とか、
暫く経つと又他のアイディアが浮かんだり。
本当に切りがないのです!
ですから、自分自身で妥協ではない、区切りをつけるのも商品開発・レシピ開発において一つの大事な工程。
店舗を運営しているのであればなおさら。開発に時間をかければかけるほど、
・試作材料費・光熱費
・お店の固定費
・人件費 などなど
開発商品に対する売り上げがゼロないのに、どんどんお金だけが出ていきます。

私自身の開発の区切りは?

私はクライアントさんへのレシピ提出期限(締め切り)がありますから、それが区切りをつける一つの目安。
新規の依頼に関しては現在あるお仕事の進行状況次第。
お話を聞いた上で、自分の知識・経験を熟考、時間的な配分を考えてお受け出来るか検討。
能力的に可能であれが、お見積りを出しています。
ご相談頂いても、様々な条件を加味し、対応できないようであればお見積りは渡していません。
お相手の時間を無駄にはしたくないですから。丁重にお断りさせて頂いています。

依頼品にはどのようなものがあるのか?

ご依頼頂いた内容が既に自社開発スタッフによって取り組まれているものも多いです。
では、なぜ私に依頼するのか?主な理由は2つ。
1、試作をしすぎてどうしたらよいのか?煮詰まってしまい、自分達でわからなくなってしまうから。
商品開発・レシピ開発をしたことがない方は奇妙に思うかもしれませんが、よくあることです。
開発に最終到達地点というのはありません。終わりがどこかわからなくて当たり前なのです。
2、「私の頭の中身が知りたいから。」(詳しくは記事後半に記載。)

プロへのアウトソーシング(外部委託)は意味がある。

きちんとしたプロへのアウトソーシングは新たな発見があります。
自分たちが開発してきた商品に納得出来る。
開発にいったん区切りをつけることが出来る。そんなメリットも。
依頼品の中には私自身が食べたことのない料理も結構あります(笑)
日本でいえば「ご当地グルメ」。マニアックな郷土料理であったり、あとはどこかの店の名物料理であったり。
試食が可能なものは現地に出向いて、何をクライアントさんが求めているのかをリサーチ。
既に開発中の商品は開発員の方々のレベルにまずは追いつき、追い越さなければいけません。
通常のレシピ開発より少し時間がかかります。
商品開発・レシピ開発のプロですから、だいたい数回食べると「こんな感じのものが作りたいんだな。」「よりこうしたら美味しくなる。」というのを提案出来ている気がします。

商品開発・レシピ開発での気遣い

私が特に気を付けていること。
1、クライアントさん(開発員)さんとなるべく同じ熱量で開発に携わること。
正直、社外の人間は客観的でクールです。それが良い場合もありますが、クールすぎるのは良くない。
ずっと熱い想いで開発を行ってきた方々と温度差があります。
情熱をかけて開発してきたスタッフさんと熱量が違い過ぎるとうまくはいきません。
温度差がなるべくないように、共同作業を行い、お互い納得した上で、レシピを完成させていきます。
2、要望をしっかりと把握する。
大手の会社様などは過去に料理研究家に依頼した実績がだいたいあるので、依頼内容をわかりやすくレジュメにしてお話を進めて下さいます。
飲食店のオーナー様や社長様はご自身の頭の中にある考えを熱く語って下さるので、私はひたすらヒヤリング。
聞き手にまわり、依頼内容を勝手に自分の解釈で違う方向にもっていかないように気を付けています。

料理って本当に面白い。開発は飽きがこない。

調理師学校の学生時代。有名料理屋でバイトをしながら思ったこと。「何かが違う・・・」
お店というのは毎日コツコツと同じ事をこなします。
勿論、いらっしゃるお客様は変わりますし、メニューも日替わり、月替わり、仕事の内容も少しづつは違います。
今日よりも明日。毎日自分の作業は早く確実に進化しているかもしれません。
でも、どうも私にはその位の変化では物足りない。というか刺激が足らない!(笑)

仕事の内容

仕事をお受けする1つの基準は、自分にしか出来ないことや今までにやったことがない新しい事にとても興味があります。
勿論、初めて行うことで自分自身の能力が足らず、お相手に迷惑がかかるレベルであればお受けしません。
あくまでも過去の経験を踏まえ、クライアントさんに満足して頂けると思ったことのみ、お話を進めていきます。
一つの基準でしかありませんから、私でお役に立てそうなこと、時間さえ許せば、過去にやったことがあるお仕事でもお受けしています。
あとは、業務を行うにあたって、自分でなくても出来ることはクライアント様のスタッフさんにお任せしています。
レシピ開発・レシピ提供。レシピとは材料の分量と作り方が書いたものという概念です。
盛り付け完成図はイメージが必要だと思いますので、完成写真をつけますが、
細かい原価計算や栄養価計算、出張実習の準備・片付けなど、私でなくても出来るお仕事は先方様にお願いしています。
どうしてもという方は追加料金にて対応。栄養計算は私の知り合いの管理栄養士を紹介したり・・・
私自身は100%開発に集中。その他の時間は開発に関する勉強など時間を有意義に使わせて頂いています。

売れる商品・売れるレシピとは?

これは、市場に出してみなければわかりません。
開発員と共に共同開発。これは良い!美味しい!儲かる!?(笑)
様々な思惑と共に市場に出すわけですが、消費者の動向が思い通りにいかないことも。
経験、データ、経営的なしかけを施し、売れるものもあれば、あれ?・・・というものも。
逆もあります!手を抜いたわけではないが、微妙、イマイチか~?、一種の賭けだな・・・というものが凄くヒットしたり。
そこが面白い。飽きがこない刺激的なところ。開発の醍醐味なのかもしれません。

現在『レシピ』というものにどのくらいの価値があるのでしょうか?

ひと昔前、プロのレシピは凄~く価値がありました。桁違いの高いお値段で売れました(笑)
今は素人だけでなく、プロのレシピもネットで簡単に検索でき、綺麗なプロセスカット(工程写真)付き。
とってもわかり易い動画まで見かけます。
本屋に置かれている専門書もカラー写真が沢山。説明も懇切丁寧に書かれています。
昔の専門書ときたら、わざと出来ないように書いてあるのか?!と思うくらい不親切(笑)
時代の変化を感じます。そのようなご時世、レシピ開発を継続してご依頼頂ける理由を考えてみました。

レシピが生まれるまでの工程が大事

レシピ事態に価値がないわけではないのですが、クライアント様が知りたいのは私の頭の中身(その料理が完成に至った経緯)。前半に記載した私へ依頼する理由2です。
どのようにしてその料理を思いついたのか?
料理人の頭の中身というのは、会社であれば企業秘密にあたる部分だそうです。
それを公開することによって、私はレシピ開発費・商品開発費という対価を頂戴しています。

神田麻帆のレシピとは?

自分の「美味しい~!」を押し売りするレシピではありません。
商品として売るからにはには多くの人にとって美味しいでなければいけないのは当然ですが、感じ方は人それぞれ。
女子の好きなものと男子の好きなもの全然違いますよね?
若い人と人生経験が豊富な舌が肥えた方、違いますよね?
共に調理作業を行うことが可能なレシピ開発においては、貴社の味・クライアント様が実現したい味を共に調整。
納得できる商品を世に出すためのお手伝いをしています。
商品開発・レシピ開発の詳細ご相談・ご依頼

コロナ禍、飲食業界はどのような変化を遂げているのでしょうか?

本記事の写真は7月下旬に発売された書籍「フードテック革命」。
フードテックというのはフードとテクノロジーの造語。1800円が安いと思えるボリューム感のある内容。
8月に購入して読んでいるのですが、繰り返し読まないと頭に入ってこないのでまだ読んでいます(笑)

飲食業界がこれからどのような変化を遂げるか?

コロナ禍ビジネスとして、最近マスコミでよく取り上げられている「ゴーストキッチン(客席を持たない宅配・デリバリー専用店舗)」にも触れています。
狭い敷地でも出店が可能。人件費や固定費を30%くらいに抑えられるとも。
新しい生活様式を手に入れたお客様たちは元には戻ってはきません。食の世界も変化と進化を遂げるしかないです。
今までシェフの経験、時間をかけて行ってきたことがAIによって合理化されるとか・・・
これは良い事か悪い事か微妙ですが。何でも機械とAIではつまらない気がします。シェフもいらなくなってしまう・・・
コロナ禍、飲食店での雇用・バイトのお仕事がなくなり、今まで人手不足で困っていた食品製造工場へ人が流れ、喜んでいる企業さんも。
これも良いのか悪いのか。どの立ち位置にいるかによりますよね。
どちらにしろ、『お仕事がきちんとある。』=『収入があり生活ができる。』犯罪がこれ以上増えない。これが大事だと思います。
このような時代だからこそ他を思いやる。周りを考える姿勢。コロナ前の一人勝ちビジネス、win winと小規模な勝ち組ではない何か。
∞(無限大)に?多くの人が潤うことが今後のビジネス成功の鍵かと私は思っています。

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